5人組ロックバンドJanne Da Arc(ジャンヌダルク)のボーカルyasuのソロプロジェクト、Acid Black Cherry(アシッドブラックチェリー)がこの度、大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、約3年ぶりの新アルバム「L-エル-」をPRした。

 13年8月から昨年6月まで約10カ月に渡る全都道府県61公演を行なった、Project「Shangri-la(シャングリ・ラ)」では約18万人を動員。「ライブでベストを尽くせるように体調管理が大変だった。MCでは楽屋のリラックスした雰囲気を出したくて、事前にツイッターで質問を受け付けていたのがよかった」と振り返った。ツアー中は全県で、ライブとは別に「ファンとの触れ合い」がテーマのトーク・イベントを実施。「すごい財産になった」と話し、「長いツアーを経た経験が(間接的に)新アルバム制作に影響した」と認めた。

 新アルバムは「エル」という1人の女性の波乱万丈の人生を綴った13曲全14トラックで構成。「物語の舞台は1900年代前半のヨーロッパを想定した。先に楽曲があって、それらをまとめることで、プロット(物語)が広がりました」と独特の世界観に満ちたコンセプトアルバムの制作工程を明かした。「元々、漫画家志望だったんでイメージを広げることは難しくなかったです」と笑顔を見せた。

 新譜はCDオンリー盤、CDと100ページに及ぶ「L-エル-」コンセプトストーリーブックに「Shangri-la」ライブ映像DVDが付く<Project『Shangri-la』LIVE盤>、CDと同ブックにツアーのドキュメントムービーとMCベストセレクションが付く<Project『Shangri-la』ドキュメント盤>の3種類。新アルバムを引っ提げ、10日の広島公演から全国ツアーが始まるが、「アルバムを聴いていない人も楽しめるライブにしたい。アルバムを知らないと楽しめないとかエンターテインメントじゃないと思うんです」。全県制覇で人間的にも深みを増したyasuの新たな一面に出会える。