乃木坂46伊藤万理華(19)が「リング」「らせん」などで知られる作家鈴木光司氏(57)の短編小説「しるし」の映画化「アイズ」(福田陽平監督、6月公開予定)の主演に抜てきされたことが4日、分かった。映画初主演となる。

 原作は05年に発表された短編集「アイズ」に収められている作品。女子高生が住むマンションの玄関の表札にある日「F」の文字が書かれ、これをきっかけに友人の事故死や家族の奇行、幻覚の少女の出現など、不可解な事件が起こる様子を描くホラー映画でミステリーの要素も含まれる。15日から中村獅童(42)ら6人の主演でBSフジ「鈴木光司・リアルホラー」(日曜午後10時)としてドラマ版も放送される話題作だ。

 伊藤は、11年8月に加入した乃木坂46の1期生。他メンバーとドラマや映画に出演することはあったが、いずれも出演時間は短く、本格的な演技経験はない。乃木坂46のシングル曲のプロモーションビデオで見せた演技などが関係者の目に留まり、今回の抜てきにつながった。同映画の斎藤浩司プロデューサーは「10代にしては演技力が高い。感情を一気に出したり、表現するのがうまい」と話す。

 伊藤は「びっくりしました。私でも知っている鈴木さんの原作で主演というのは、原作ファンの方もたくさんいると思うし、正直プレッシャーです」と言いながらも「見に来た方が、私のことをアイドルだと意識しないような、自然な演技がしたい」と意気込んでいる。【横山慧】

 ◆伊藤万理華(いとう・まりか)1996年(平8)2月20日、神奈川県生まれ。11年8月に乃木坂46に加入。愛称「まりか」「まりっか」。12年8月発売シングル「走れ!Bicycle」で初選抜。今月18日発売シングル「命は美しい」で4作ぶりに選抜復帰。ファッション誌「CUTiE」4月号からデザイン関連の連載を開始。155センチ。血液型O。