スイスをはじめ、ヨーロッパでも活動する日本人ピアニスト/作曲家Soniskyのデビュー作。テクニカルに迫る瞬間は無く、美しくかつ意外性を持った旋律の展開。その旋律を彩る和声の選び方が非常に素晴らしい。旋律とオブリガードの織り成す静謐で心地よいサウンドスケープはECMの諸作品が持つ空気感にも近いものを感じる。松浦俊夫が自身のラジオで(7)をプレイしたところネットで大きな反響が起きたそうだ。Soniskyの音楽の持つ普遍性を示すエピソードと言えるだろう。ポストクラシカル好きにもオススメしたい、ゴンザレスのピアノソロに比肩するタイムレスな素敵な1枚を届けてくれた。